自撮りおばあちゃん・西本喜美子さんが97歳で死去
ユーモアあふれる自撮りで世界中を魅了した西本喜美子さんが、2025年6月に97歳で亡くなったことが報じられました。
「自撮りおばあちゃん」として知られたその生き様は、多くの人の心に強いインパクトを残しました。
2025年6月9日、多くのメディアが西本喜美子さんの訃報を報じました。
数日前に入院していたことはInstagramでも語られていましたが、「また歩けるようになったら写真を頑張ります」という前向きな言葉が最後の投稿となりました。
訃報を知った時、筆者(40代)は思わず画面を見つめながらため息をついてしまいました。
年齢を重ねてもなお、前向きに挑戦し続けた西本喜美子さんの姿は、自分のように「もう若くない」と感じ始めた世代にとっても、大きな勇気をくれる存在だったのです。
SNSでは「最後までかっこよかった」「真似したい人生」「涙が止まらない」など、多くのコメントが寄せられました。
ネット上の追悼メッセージを眺めていると、年代や国籍を問わず、幅広い層に愛されていたことがよくわかります。
この反響の大きさは、単なる“おもしろいおばあちゃん”ではなく、彼女の人生そのものが多くの人にとって希望だったからではないでしょうか。
40代である自分も、ここ数年「老後は穏やかに過ごせたら」なんて漠然と考えていました。
でも、西本喜美子さんの生き方を見ると、「今の自分でもまだ何かを始められる」と背中を押された気がします。
年齢を理由に諦めてしまう前に、一歩を踏み出す勇気が大切だと改めて感じました。
西本喜美子さんの経歴と熊本での暮らし
西本喜美子さんは1928年5月、ブラジルで生まれました。
その後、小学2年生のときに日本へ帰国し、熊本での生活がスタートします。
日本に戻った西本喜美子さんは、熊本でのびのびとした生活を送っていました。
当時の日本は戦前という時代背景もあり、きっと今のような自由な空気はなかったと思います。
しかし、その後の人生を見ればわかるように、西本喜美子さんはどんな環境でも自分らしさを大切にされていた方だったのでしょう。
学生時代の詳細な学校名までは明らかにされていませんが、熊本の地で基礎を築き、長年暮らし続けていたことがわかっています。
僕も技術職として長く同じ場所に住んでいますが、年を重ねるごとに“地元で育った安心感”が心の支えになることがあります。
西本喜美子さんも、きっと熊本という土地に深い愛着を持っていたのではないでしょうか。
生まれ育った場所で人生をまっとうする。
そんなシンプルだけど力強い生き方に、強く惹かれる人は多いと思います。
カメラとの出会いと遊美塾での学び
西本喜美子さんがカメラを始めたのは、なんと72歳のとき。
それまで写真に一切興味がなかったというのだから驚きです。
写真を始めたきっかけは、息子さんが講師を務める写真教室「遊美塾」でした。
最初は付き添いのつもりで行ったそうですが、自分でもやってみたら「めちゃくちゃ楽しい!」と夢中になったといいます。
僕も30代後半で登山にハマった経験があるのですが、「自分には向いてないかも」と思っていたものが意外とフィットする瞬間って、人生においてけっこう貴重なんですよね。
遊美塾では、写真の構図や編集のテクニックを学びながら、ユーモアたっぷりの自撮り作品を作り上げていきました。
フォトショップを駆使して“事故現場風”や“宇宙空間”といったインパクト大の演出をした作品には、思わず笑ってしまいます。
でも、その裏には「人生を笑いで彩りたい」という思いがしっかり込められていたのです。
「遅すぎるスタートなんて、ない」とは、まさにこのこと。
何か新しいことを始めようとしても二の足を踏んでしまう人こそ、西本喜美子さんのエピソードは心に刺さると思います。
次は、彼女がSNSでどれほどの影響力を持っていたのか、インスタグラムを中心に見ていきましょう。
インスタフォロワー数31万人超!世界に広がる自撮りの魅力
高齢者としては異例の数字であり、国内外からの注目を集めました。
自撮りに使われたテーマは、自虐的で思わず笑ってしまうものばかり。
「道路に倒れてるおばあちゃん」や「火花に包まれた自転車事故風」など、ユニークな演出で見る人を驚かせました。
そのどれもが、“自分を笑いのネタにする勇気”にあふれています。
僕も何度かSNSで西本喜美子さんの投稿を見て、そのセンスの良さと演出力に脱帽した記憶があります。
誰かを喜ばせる投稿って、ただの写真じゃなくて「物語」なんですよね。
西本喜美子さんの自撮りは、まさにストーリー性に富んでいて、「今日も元気出たな」と感じさせてくれるものでした。
また、国内だけでなく海外メディアでも取り上げられたことがあり、高齢者の新しいロールモデルとして称賛されました。
“年齢は関係ない”というメッセージを、写真1枚で伝えられるってすごいことですよね。
次は、そんな彼女が生み出した著書と、その中に込めた人生哲学について深掘りしていきます。
西本喜美子さんの著書と人生観
西本喜美子さんの著書『ひとりじゃなかよ』は、自撮りを通じて見えてきた人生のメッセージが詰まった1冊です。
笑って泣けて、ちょっと前向きになれる内容になっています。
本の中には、これまでの自撮り作品はもちろん、日常生活のスナップや本人のコメントも掲載されています。
一見ユーモラスな写真も、背景を知ると涙が出てくるようなものばかりです。
「笑われることを恐れず、まず自分が笑う」
そんな彼女の哲学が、ページの端々から伝わってきます。
40代の自分はというと、正直ここまで“笑える余裕”はありません。
でも、この本を読んで少し肩の力が抜けたというか、「自分を笑ってあげることも、立派な生き方なんだな」と思えたんですよね。
西本喜美子さんが伝えたかったのは、写真という手段を通して「人生はいつだってやり直せる」という希望だったのではないでしょうか。