ニセコといえば、パウダースノーとラグジュアリーなリゾートで世界中の富裕層を魅了する人気観光地ですよね。
でも今、そのニセコが静かに揺れています。
この記事では、「ニセコバブルの崩壊」と、中国系企業によるリゾート開発の破綻(La Plume事件)を通じて、チャイナマネーがもたらした“栄光と歪み”を深掘りします!
具体的にはこんなことがわかります👇
- ニセコ最大級リゾートが建設途中でストップした理由
- 地元住民の生活がどれだけ変わったのか
- なぜひらふ坂の土地価格は札幌より高いのか
- インバウンドと円安で盛り上がる一方、起きている“生活崩壊”の現実
- チャイナマネー依存が生んだ街の歪みと、その先にあるリスク
バブルの影に隠れた本当の課題を知ることで、これからの日本の観光や地方の未来について、ちょっと立ち止まって考えるきっかけになるかもしれません。
ニセコバブル崩壊の全貌:La Plumeの経営破綻が象徴するもの
ニセコバブルの崩壊って聞くと、ちょっとバブル時代のジュリアナ東京とか思い出しません?(古い?)
でも今回の話は、キラキラしたパーティじゃなくて、キラキラしてたリゾート開発がまさかの“未完成でストップ”…というリアルすぎる話です。
La Plumeとは?中国系資本が手掛けたニセコ最大級リゾートの概要
La Plume Niseko Resortは、東京に登記された「特定目的会社」で、219室と5つのプライベートヴィラという超大型リゾートをニセコに建設していたんです。
しかも、中国系企業の資本で始まった“チャイナマネーの象徴”的なプロジェクト。
SEとしてクラウドの構築は得意でも、建物の構築には無縁な私が言うのもなんですが、最初から「この計画、ちょっとオーバースペックでは…?」と感じていました。
現地の労働力も限られてるし、資材価格も上がってるし、そもそも“冬しか稼働しない”リゾートって回収プランがシビアすぎません?
リゾートの完成予定図はめちゃくちゃ豪華で、「そこ、天国ですか?」レベル。
でも現実はというと…骨組みのまま放置され、ブルーシートがかけられたまま。
せっかくの羊蹄山ビューも泣いてますね。
次は、なぜこのプロジェクトが頓挫したのか、見てみましょう。
なぜ破綻した?建設ストップから破産申請までの経緯
破綻の流れとしてはこうです。
資金繰りがつかず→建設費が払えず→地元建設会社が裁判所に申し立て→破産決定。
めちゃくちゃシンプル、だけど悲惨。
2020年に設立され、コロナ禍でインバウンドも止まった中での強行スタート。
いやいや、私たちIT系だと「ユーザーニーズ見えてないプロジェクトは走らせない」って基本なんですが、このリゾート、まるで仕様書ナシで始めた開発みたいな展開でしたね。
特にやばいのが、工事が3割進んだ時点でストップしてること。
開発途中で止まったクラウドシステムよりも、こっちは物理的に残っちゃってるわけですから、まさに“負の遺産”。
では次に、実際どれだけのインパクトがあったのか、負債の規模と地域への影響についても触れていきますね。
負債総額は数十億円規模…地元経済への影響は?
推定で数十億円。
建設業界にとっては当然ながら大打撃。
地元建設会社は未回収金で泣いてますし、そこから派生する地元経済への影響もデカいです。
そしてこれ、ただの一企業の破綻にとどまらないのがポイント。
“あのLa Plumeですらダメだった”ということで、外資系の開発全体にブレーキがかかる可能性もあります。
中国マネーに過剰依存してきた構造のほころびが、ついに表面化したんですね。
個人的に感じたのは、「外から金だけ持ってくるビジネスモデル」は、日本の地方にはもう限界が来てるなってことです。
技術者の世界でも、外注の多重構造でグダグダになるパターンと似てますね。
次は、チャイナマネーが街の風景すら変えてしまった「ひらふ坂」に目を向けてみましょう。
あそこ、もう“日本のスキー場”って雰囲気じゃないんですよ。
チャイナマネーが変えた街の風景:ひらふ坂に見るバブルの爪痕
ニセコの中心地「ひらふ坂」を歩いたことがある人なら、あの景色の“非・日本感”にびっくりしたと思います。
まるで海外リゾートのミニチュア都市。でもそれが“バブルの爪痕”になってきてるんですよね。
地価高騰が止まらない…ひらふ坂周辺の土地価格は札幌以上
ひらふ坂周辺の商業地、なんと1平方メートルあたり70万円超え。
この金額、札幌の円山エリアを超えてます。
「スキー場のふもとの坂が、札幌の高級住宅地より高いってどういうこと!?」って叫びたくなりますね。
システムエンジニア的に言うと、サーバールームに置く10年前のRAID5マシンがなぜか今のRTX搭載PCより高い、みたいな話。
つまり、需要が価格の論理を完全に狂わせてるんです。
これ、2010年代からじわじわ進んできたもので、主に外資、特に中国・香港系が投資しまくった結果なんですよね。
1戸10億円の別荘が並ぶ街並みと住民の本音
別荘やコンドミニアムの価格もえげつないです。
1棟10億円超えは当たり前。
しかも売れてる。
買ってるのはもちろん外国人の富裕層。
で、地元住民の声はというと──「あそこはもう、うちらの町じゃない」。
言葉が重い。
正直、自分も出張で1泊1万円のビジネスホテル探すのに苦労してるのに、「1泊20万円のスイート」が予約で埋まってるって、なんか現実感なくないですか?
地元の人たちは、日々の生活が高騰に巻き込まれてて、まさに“置き去り”。
スーパーのウニが3万円!?観光地化で置き去りにされる生活者
そしてもう一つの象徴が、あの有名な「スーパーの3万円ウニ」。
これ、シャレじゃなくてガチです。
マックスバリュの店長さんも「外国人向けに高級食材を用意してます」って胸張ってるけど、地元民からすると「え、私たちの食卓どこいった?」って話です。
SEの視点で言うと、無料プランでちょこちょこ使ってたSaaSが、急にエンタープライズ専用UIに変わって「契約金100万円からです!」みたいな気持ちです。
そりゃ困りますって。
こうやって観光バブルは外側だけピカピカで、地元の生活インフラはひっそり崩れていく…そんな現実が、ひらふ坂には凝縮されてるんですよ。
このあと取り上げるのは、バブルの熱が冷めないもう一つの要因、「インバウンド」。
観光客の波は嬉しいけれど、そこに依存しすぎたリスクも見えてきています。
「世界のニセコ」は誰のもの?インバウンド依存の落とし穴
「世界のニセコ」と聞くと、なんかかっこいい響きですよね。
でもその裏では、地元の人たちが「ここ、本当に私たちの町なの…?」と首をかしげている現実があります。
その大きな理由が、“インバウンド依存”なんですよ。
コロナ後も止まらないインバウンドと円安の追い風
まず事実として、ニセコにはめちゃくちゃ外国人観光客が来ています。
とくにオーストラリア、香港、中国、シンガポールからの富裕層が大挙して押し寄せ、円安の恩恵でまさに“爆買いスノーリゾート”状態。
訪日客の宿泊数は過去最高を更新しているそうです。
インバウンドの追い風は確かに大きい。
でも、それに依存しすぎると地元のバランスが壊れてくるんですよね。
時給2000円超、労働力不足で介護施設が閉鎖する現実
いちばん顕著なのが「労働力の争奪戦」。
観光業が高時給を出すから、他の業種が人手を確保できなくなるんです。
実際、ニセコでは介護施設が「人がいない」という理由で閉鎖された例もあります。
時給2000円って、東京のIT現場のバイト並みですよ。(ある程度の経験者は4000円ほどですが…)
それでも人が集まらないって、もうシステムが破綻してる証拠。
IT業界にも「人気のプロジェクトにエンジニアが集中して、地味な基盤案件は放置される」ってよくある話ですけど、それと構造が一緒です。
派手なところに人も金も集中して、社会基盤は置いてきぼり。
外国人投資の光と影…観光地が抱える“二極化”の実態
今のニセコは、観光客向けの“表の顔”と、住民たちが抱える“裏の顔”が完全に分離してるんです。
外国人富裕層が贅沢に滞在する裏で、地元の人は生活コストや人手不足に悩まされる。
これは単なる経済の話じゃなくて、「文化や地域のアイデンティティ」が薄れていく問題でもあります。
どんどん“観光仕様”になっていく町に、地元の人が違和感を覚え始めているんですよね。
IT業界でも、「顧客の声を無視してキラキラUIばかり追求する製品」って、だいたい短命なんです。
本質を見失うと、どんなに投資があっても崩れていく。
中国系企業が築いた虚像の街:バブルの恩恵とその代償
「ニセコは成功例だよね!」なんて言われてたのは、つい最近のこと。
でもLa Plumeの破綻をきっかけに、その“成功”の中身が見えてきました。
キラキラしたリゾートの裏で、何が失われていたのか——今回はその“代償”に迫っていきます。
「観光都市ニセコ」の裏側で進む地域崩壊
華やかなリゾート開発、急激な地価上昇、外資によるホテルラッシュ。
一見すると成長の象徴みたいだけど、地元の暮らしとの乖離はどんどん広がっていました。
観光シーズンだけに収入が偏る不安定な雇用構造。
若者は働き先がないから街を出て行き、残るのは観光客と外国人投資家だけ。
これ、田舎にありがちな「後継者問題」とそっくりです。
私もIT業界で地方の自治体向けにシステム構築をしてたことがあるんですが、同じ構図を何度も見ました。
「人がいないのにICT化だけ進めても意味ない」ってね。
ニセコも“ハードは整ったけど、ソフト(人と地域)はボロボロ”になってきてたんです。
チャイナマネー依存は全国リゾートの警鐘となるか?
ニセコの件は、全国の観光地にとっても他人事じゃありません。
中国資本に限らず、外資に頼りきったリゾート経営は、リスクも大きいってことを改めて突きつけられました。
開発当初は「救世主」だった投資家たちも、情勢が変わればサッと撤退。
その後に残るのは、未完成の建物と、不動産だけ高くなったゴーストタウン。
例えるなら、外注先に依存したシステム開発が、仕様変更でトンズラされた…みたいなもの。
“最初は助かったけど、最後は地獄見た”って案件、ITにもあるあるですよね。
今後、富良野・トマム・白馬みたいな他のスキーリゾートでも、同じリスクは十分あり得ます。
今後どうなる?地元・行政・投資家がとるべき次の一手
ここからどう立て直すのか。
それが最大のポイントです。
まず大事なのは、「外資頼りからの脱却」。
短期の利益よりも、地元に根差した雇用や住環境を再整備していく必要があります。
行政も“観光で儲かればOK”じゃなくて、“住んで良かったニセコ”を目指すべきですよね。
それって、ITで言えば「UXを良くする」ってことと同じです。
観光客の満足だけじゃなく、住民の体験価値も設計しないと、長続きしない。
投資家側も、“リターン重視の短期型”から“地域貢献型の長期モデル”にシフトしてほしいところ。
たとえばリゾート開発でも、地元企業との連携や、地域課題の解決にコミットする形が理想です。
ニセコはもう一度、原点に立ち返る時なのかもしれません。
自然と共存しながら、人も街も健やかに育つ場所として——。
よくある質問とその答え(Q&A)
Q: なぜ中国系リゾート「La Plume」は破綻してしまったの?
A: 資金繰りの悪化と建設費の未払いが原因です。中国系企業の資本で進められていたLa Plumeは、地元建設会社への支払いが滞ったことで、建設が中断。結果として破産手続きが始まりました。計画のスケールに対して収益見込みが過大だった可能性もあります。
Q: ニセコの地価はなぜそんなに高いの?
A: 外国人富裕層の投資ラッシュが主因です。特にひらふ坂周辺では、10年前の2倍以上の価格に高騰し、札幌の高級住宅地よりも高くなる場所も出ています。ニセコが“世界的スノーリゾート”として注目され、チャイナマネーが集中したことが影響しています。
Q: 観光地化の影響で、地元の人たちはどうなっているの?
A: 地価と生活コストの上昇、人手不足の深刻化など、地域住民はさまざまな問題に直面しています。スーパーの食品価格も観光客向けに高騰しており、「私たちの町じゃない」との声も出ています。介護施設の閉鎖など生活インフラにも影響が出ています。
Q: チャイナマネーが抜けたあとのニセコはどうなる?
A: 今後は、地元主導の街づくりや、持続可能な観光モデルへのシフトが求められます。外資の一極集中型ではなく、地域に根ざした雇用やサービスを構築することが、街の再生の鍵になるでしょう。
Q: 他のリゾート地にも同じようなリスクはあるの?
A: あります。ニセコの事例は、富良野やトマム、白馬など、外資に依存した観光地にも警鐘を鳴らすものです。短期利益を追う投資モデルではなく、長期視点で地域と共存する形が重要になります。
まとめ
今回の記事ではこんなことを書きました。以下に要点をまとめます。
- 中国系企業「La Plume」のリゾート開発が資金難で破綻
- チャイナマネーによってひらふ坂などの地価が高騰
- 地元住民の生活環境が悪化し、介護施設が閉鎖するケースも
- インバウンドの好調が街を活性化させる一方で、依存度が高すぎるリスクも明らかに
- ニセコの事例は全国の観光地にとっても他人事ではない警告となる
ニセコのバブル崩壊は、単なる一企業の破綻ではなく、地域の未来や日本の観光業全体に対する大きなヒントを投げかけています。
一時的な投資熱だけで街を動かすのではなく、長期的に持続可能な関係性を築くことが、これからのリゾートには必要です。
記事を読んだあとは、ぜひ他の観光地や投資先についても「誰のための街なのか?」を考えてみてくださいね✨