塩焼小学校の小林佳巨教頭が着服で懲戒免職に!!金額、動機や巧妙な手口も明らかに
市川市立塩焼小学校で起きた教頭による着服事件は、多くの保護者と教育関係者に衝撃を与えました。
この事件では、学校名や着服金額、動機、そして手口までもが明らかになっています。
筆者のような業務の内部統制や資金管理に携わってきた立場から見ても、この件には根深い問題が潜んでいると感じました。
事件が発覚した経緯と校長の対応
この事件が発覚したのは、2025年3月中旬のことです。
市川市立塩焼小学校の校長が、学校徴収金の通帳を確認したところ、不審な出金が続いていることに気づいたのがきっかけでした。
教頭の小林佳巨氏(52歳)は、保護者から預かった修学旅行費や教材費など、合計で1331万円以上を個人的に引き出していたとされています。
事件が公になった直後、千葉県教育委員会は地方公務員法に基づき、同氏を懲戒免職処分としました。
正直なところ、私も以前、企業のシステム管理で内部通報制度に関わった経験があり、このような不正は「発覚の遅れ」が最大の問題になると感じています。
システム上で異常を検知しても、人の目によるチェックが入らないと止められないのです。
着服された金額と期間の詳細
着服が行われた期間は、2023年6月から2025年3月までの約1年9か月間にわたります。
この間、小林教頭は学校徴収金の専用口座から、合計1,331万242円を不正に引き出していたと報告されています。
金額だけ見れば、一部の中小企業の経理担当者が横領するレベルに匹敵します。
しかし問題なのは、そのお金が「子どもたちのために集められた積立金」だったという点です。
実際、私がシステムエンジニアとして担当したある企業でも、内部資金の管理ミスで1000万円近い損失が発生したことがありました。
そのときも「チェック体制の不備」「一人で複数業務を兼任」「権限と責任の集中」が重なっていたんです。
今回の事件でも、小林教頭が会計実務をほぼ単独で行っていた可能性が高く、それが長期にわたって発覚しなかった一因でしょう。
また、通帳の管理や出金時の確認フローが形式的なもので終わっていた可能性も否定できません。
小林佳巨・教頭の動機とは?「生活費に使った」の真意
着服の動機について、小林佳巨教頭は「生活費に使った」と説明しています。
しかし、実際に1,300万円を超える金額を生活費で使い切るには、相当な浪費や特別な事情がない限り難しいと感じます。
筆者のようなシステムエンジニアとして家計管理アプリや業務会計ソフトの開発に関わってきた経験から見ると、「生活費」という言葉は、あいまいな理由として使われがちです。
実際には、借金返済、趣味の浪費、家族に内緒の出費などが隠れていることも少なくありません。
教頭の供述とこれまでの勤務歴
報道によると、小林教頭は事件後の調査で「生活費などに使った」とのみ供述しており、具体的な使途の詳細は明かしていません。
これまでの勤務歴について大きな問題が報じられたことはなく、温厚で真面目な印象を持たれていたようです。
それだけに今回の事件は、周囲にも大きなショックを与えています。
私自身、過去に長く勤務していた同僚が突然、不正アクセスを行っていたことが発覚したことがありました。
そのとき感じたのは、「表面上は普通でも、内面で何かを抱えている人の兆候を見抜くのは本当に難しい」ということです。
同僚の目をかいくぐり、長期にわたり着服が行われていた点を見ると、内部の人間関係や信頼構造にも見直しが必要なのかもしれません。
次に、教育委員会がこの件にどう対応したのかを見ていきましょう。
懲戒免職処分の背景と理由は?千葉県教育委員会の見解
小林佳巨教頭に対する処分は、地方公務員法に基づく懲戒免職でした。
これは、教職員として最も重い処分であり、今回の事件の重大性がうかがえます。
千葉県教育委員会は、この着服事件を「極めて悪質であり、公務員としての信用を著しく損なうもの」と位置づけ、断固とした姿勢で処分に踏み切ったのです。
教育委員会の会見内容まとめ
教育委員会が開いた記者会見では、事件の詳細とともに再発防止に向けた方針が発表されました。
具体的には、以下のような対応が挙げられました。
- 各学校に対し、徴収金の管理体制を緊急点検するよう指示
- 会計業務のチェックリストを活用し、複数人で管理する体制の徹底
- 教職員が問題を抱えたときに相談しやすい環境の整備
このような対応を見て、私が以前関わった企業の内部統制改革を思い出しました。
不正が発生した後ではなく、「発生する前」に仕組みを作っておくことがどれだけ重要かを、現場で痛感したことがあります。
学校も組織である以上、ガバナンスや内部牽制が欠かせないという点では同じです。
次は、他の関係者の処分や、より具体的な再発防止策について紹介していきます。
他の教職員の処分と再発防止策
今回の事件では、小林教頭本人だけでなく、当時の校長にも監督責任が問われました。
市川市立塩焼小学校の校長には**減給(10分の1、3か月)**の処分が下され、また以前勤務していた中学校の校長にも同様の処分が科されました。
これは、単なる個人の不正ではなく、組織的なチェック体制の不備が背景にあると判断された結果です。
再発防止策としては、教育委員会が各校に向けて次のような施策を指示しています。
- 会計処理を一人で完結させない業務フローの導入
- 会計通帳や印鑑の管理は必ず複数名で確認
- 毎月の内部監査や点検チェックの義務化
- 教職員向けの倫理・会計研修の強化
特に「複数名管理」は、かなり効果的だと感じます。
一人の判断でお金が動かせない仕組みを技術的にも制度的にも導入すれば、かなりの抑止力になります。
次は、学校側が保護者や地域に対してどのように対応したかを見ていきましょう。
市川市立塩焼小学校の対応と今後の課題
事件の舞台となった市川市立塩焼小学校では、保護者や地域住民に対する説明責任、そして再発防止に向けた対策が求められています。
信頼を失った教育現場がどのように立て直されていくのか、注目が集まっています。
保護者や地域住民の反応
事件が報じられた直後から、保護者の間では怒りと失望の声が広がりました。
「預けたお金がこんな形で使われるなんて信じられない」「学校の管理体制はどうなっているのか」といった反応がSNSや地域掲示板などでも多く見られます。
市川市教育委員会と塩焼小学校は、保護者に向けて説明会を実施したとされますが、返金の時期や具体的な方法については、まだ明言されていないようです。
私自身、子どもを公立小学校に通わせており、保護者としては「学校は絶対に安心できる場所であってほしい」という思いが強くあります。
それだけに、こうした事件は非常にショックです。
次に、学校内部の体制について詳しく見ていきましょう。
学校内部の管理体制と改善点
市川市立塩焼小学校では、次のような再発防止策が提案されています。
- 学校徴収金の管理は必ず複数名で実施
- 会計処理の透明化と月次監査の導入
- 校長・教頭の業務分担と定期的な外部チェック体制の構築
- 問題を抱える教職員が早期に相談できるメンタルケア体制の整備
これはまさに、企業における「内部統制」と同じです。
私が関わったある中堅企業でも、社員の孤立や業務の属人化が不正の温床になっていたことがありました。
同じことが学校現場でも起きているのだと実感しています。
この横領事件が示す教育現場のリスクとは?
今回の事件は、単なる一教員の不正行為ではなく、教育現場に潜む構造的なリスクを浮き彫りにしました。
特に、金銭管理の属人化やチェック体制の甘さは、全国の学校にも共通する課題といえます。
教職員による金銭トラブルの実例
近年、学校現場では教職員による着服や不正会計のニュースが後を絶ちません。
修学旅行費、教材費、PTA会計など、「信頼」だけを前提にした運営が続いている部分が多いのが実情です。
SEとして企業の経理システムを構築してきた私から見れば、「人に頼る会計管理」には常にリスクがつきまといます。
例えば、通帳や印鑑、出金申請の書類がすべて一人の担当者に集中している状態は、セキュリティ的にも非常に危険です。
学校でも業務の一部をシステム化・自動化し、チェック機能を強化する時代に来ていると感じます。
次に、教育現場が信頼を取り戻すために取り組むべき課題をまとめます。
信頼回復に向けた教育現場の課題
今回の事件で失われた保護者や地域の信頼を回復するためには、次のような改革が必要だと感じています。
- 会計業務のマニュアル化と可視化
- 一人の職員に業務を集中させない役割分担の明確化
- 定期的な外部監査と報告体制の構築
- 教職員の倫理・コンプライアンス教育の義務化
- メンタルヘルスケアや相談体制の強化で孤立を防ぐ仕組み
教育現場は、子どもたちだけでなく保護者や地域からの「信頼」によって支えられています。
その信頼を守るためにも、学校は「教育のプロ」であると同時に、「組織の一員」としてのガバナンス意識を持つ必要があります。