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春ねむりとは何者?参政党さや氏への“怒り”が生んだ楽曲「IGMF」の真意とは

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春ねむりとは何者?音楽と思想に貫かれた異色のシンガー

春ねむりさんは、横浜出身のシンガーソングライターであり、詩人としても知られています。
独自の音楽スタイルと強烈なメッセージ性で、国内外のファンを魅了してきました。

ジャンルとしては、ラップやポエトリーリーディングを融合させたサウンドが特徴です。
ライブでは観客を圧倒するようなパフォーマンスを見せ、その存在感は唯一無二といえます。

私自身、彼女の音楽を聴いてびっくりしました。
コードやロジックで世界を組み立てる自分の仕事とは対極にある、言葉で感情を切り裂くような強さがありました。

ただの「若い女性アーティスト」という枠には収まらない、社会や政治にも強く反応する姿勢が、彼女の音楽に深みを与えています。

春ねむりの経歴と音楽ジャンルをざっくり紹介

春ねむりさんは、2016年に音楽活動をスタートし、自主制作盤のリリースやライブ活動を重ねながら注目を集めてきました。

ジャンルとしては、オルタナティブロックをベースにしながら、ポエトリーリーディングやエレクトロ、ノイズなどの要素を取り入れています。
国内のインディーズシーンに留まらず、海外からも高い評価を受け、欧州ツアーやアメリカ公演も成功させています。

私が特に驚いたのは、英語の歌詞を交えてグローバルに通用する作品を生み出していることです。
エンジニアとしてグローバルプロジェクトを担当する中で、彼女の表現力と自己発信力の強さは非常に参考になりました。

次は、そんな春ねむりさんがなぜ「IGMF」を生んだのか、その背景に迫ります。


批判ソング「IGMF」はなぜ生まれた?参政党さや氏への怒りの背景

春ねむりさんが問題の楽曲「IGMF」を公開したのは、2022年の参議院選挙期間中のことでした。
SNS(X)では「ヘイトスピーチを聞きすぎて怒りがすごかった」と自らコメントしています。

きっかけは、参政党のさやさんが街頭演説で発した「みなさんのお母さんにしてください!」という発言。
これを春ねむりさんは「ホラー映画より怖いさや」と表現し、強く批判する形で楽曲に反映させました。

私自身、「母性」や「女性らしさ」を押し付けるような価値観に違和感を持つ場面も多くあります。
そうした社会の空気に、彼女の怒りがリンクしたのではないかと感じています。

その思いを表現する手段として、音楽という武器を選んだのが春ねむりさんらしいともいえます。

この楽曲がどういう内容だったのか、さらに詳しく見ていきましょう。


問題の歌詞とは?実名を出した理由とその真意

「IGMF」は、さやさんの演説音声を直接サンプリングし、曲中で繰り返しています。
加えて「ホラー映画より怖いさや」「言葉の暴力を操る人形劇」など、かなり強い表現が使われています。

このような楽曲をリリースするにあたって、実名を出すことは当然リスクも伴います。
しかし春ねむりさんは、そうすることで問題提起としてのインパクトを最大化しようとしたのではないかと考えられます。

システム開発の現場では「誰も指摘しないバグが一番厄介」と言われます。
それと同じで、見過ごされがちな価値観にあえて触れたのだと感じました。

では、この「IGMF」がなぜ削除されることになったのか、その経緯を次に解説します。


「IGMF」削除の理由と復活までの経緯を解説

公開直後から「IGMF」には賛否の声が集まりました。
SNSでは「よくぞ言ってくれた」「表現が過激すぎる」といった意見が飛び交い、SoundCloudから突如削除される事態に。

当時、削除理由は公式には明かされませんでしたが、Xで春ねむりさん自身が「通報された」と明かしています。
その後、同曲は再アップロードされ、再び聴けるようになりました。

情報社会に身を置く者として、通報=削除の構図には危機感を覚えます。
誰かの感情によって表現が封じられる社会には、透明性と対話が欠かせません。

削除から復活までの流れ自体が、この曲の社会的な意味を裏付けているように思えました。

ここからは、彼女の怒りがどうフェミニズムとつながっているのかを深掘りします。


春ねむりの怒りは「フェミニズム」とどうつながるのか?

春ねむりさんの表現の根底には、女性であることに対する社会的圧力への反発が見え隠れしています。
「母になれ」「優しくあれ」といった言葉の裏に潜む価値観を、彼女は痛烈に問いかけています。

フェミニズムは「女性優位」を意味するものではなく、「不均衡な社会構造への異議」として捉えるのが正確です。
「IGMF」は、まさにそうした異議申し立てとしての音楽だったのでしょう。

私も社会人になったばかりの頃、女性エンジニアが「リーダーには向かない」とたまたま言われているのを見て胸が痛みました。
春ねむりさんの曲には、そうした抑圧への反撃のエネルギーが詰まっています。

その怒りを、彼女は詩に変えて私たちに届けてくれているのです。


音楽で「ヘイトスピーチ」に立ち向かうということ

「IGMF」の中で繰り返されるのは、ただの罵倒ではありません。
それは、偏った価値観や言葉の暴力への抗議そのものです。

音楽という形をとったことで、多くの人の耳に届き、議論のきっかけをつくることができました。
ポエトリーリーディングの手法も、怒りや苦しみを「祈り」に変換する手段として非常に効果的だったと感じます。

私は普段、感情よりも論理を重視する職業ですが、この曲には心を動かされました。
合理的ではない感情が、時に社会を動かす原動力になることを思い出させてくれました。

これこそが春ねむりさんの真骨頂ではないでしょうか。

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