網戸の紐で起こる子どもの事故とは?実際の事例から学ぶ
網戸にぶら下がった何気ない紐。
でも、それが子どもの命を脅かす原因になるなんて、最初は想像もしていませんでした。
実際に起きた事故例や、自分自身のヒヤリとした体験を交えながら、どうして事故が起きてしまうのかを見ていきます。
次からの予防策をちゃんと理解するためにも、まずは「知っておくこと」がすごく大切なんです。
網戸の紐が原因で起きた悲しい窒息事故
2024年、兵庫県のある家庭で、6歳の女の子が網戸の紐に首を引っかけて亡くなった事故がありました。
輪っか状になった紐が網戸に付いていて、それが首に絡んでしまったんです。
メーカー側は「クリップで束ねて使ってください」としていたけれど、そのクリップは別袋に入っていて、親御さんは存在に気づかなかったそうです。
説明もなかったとのことで、裁判では製造責任と業者側の注意義務違反が認定され、5800万円の賠償が命じられました。
正直なところ、これは他人事じゃない話です。
うちにも似たような網戸があって、数年前に本当にヒヤッとする出来事があったんです。
当時3歳だった娘が、ソファの上で飛び跳ねながら遊んでいて、気がついたら網戸の紐が首に絡まっていました。
すぐに抱き上げて無事でしたが、首にはくっきりと紐の跡。
泣き叫ぶ娘と一緒に、自分も心臓バクバクで震えが止まりませんでした。
その日から、紐を全部取り外し、家具の配置も見直しました。
こんな小さな油断が、大きな事故につながるんだと痛感しましたね。
この手の事故って、ちょっとの工夫で防げることが多いんです。
だからこそ、まずは「危険を知ること」が何よりも大事なんですよね。
見落としがちな危険ポイントと事故の共通点
子どもが紐で事故にあうとき、実は共通したシチュエーションがあります。
まずは、「届かないと思ってたのに届いてた問題」。
うちの娘もそうだったんですが、ソファや椅子を使ってちょこっと登ると、思いがけない高さまで手が届いてしまうんです。
だから「この位置なら大丈夫」って思い込みが、一番危ない。
次に多いのが、輪っか状の紐を首に通しちゃうケース。
遊びの一環でひっぱったり、ぶら下がったり、「なんか面白そう」っていう気持ちでやっちゃうんですね。
でもそれが、命取りになる危険も。
消費者庁も「首に絡まると、15秒で気絶、2~3分で命に関わる」と警鐘を鳴らしています。
あとは説明書を読まずに取り付けちゃうパターン。
自分もそうでしたが、「あれ?これ何に使う部品?」って思って放置した結果、実はそれが命を守るクリップだった…なんて話も珍しくありません。
紐って便利だけど、扱い方を間違えると本当に怖い存在です。
だからこそ、「危ないかも」と思ったら、即見直しが必要です。
次は、実際に効果があった予防策を3つにしぼって紹介します!
網戸の紐による窒息事故を防ぐ!家庭でできる予防策3選
子どもがいる家庭で「絶対に知っておいてほしい!」と思える、簡単で効果的な事故予防策を3つご紹介します。
どれもすぐにできるものばかりなので、できそうなものからぜひ試してみてくださいね。
紐を束ねて高い位置で固定する
まず一番シンプルで効果的なのが、「紐を束ねて高い位置にまとめておく」ことです。
理由は単純で、子どもの手が届かない位置に紐があれば、物理的に絡まることがなくなるからです。
我が家では、100均で売っている強力クリップを使って、網戸のフレーム上部にギュッと束ねて固定しています。
ちょっと雑でもOK、子どもが届かなければそれで合格です。
実際、この方法にしてからは紐に触れること自体がなくなり、安心感がまったく違います。
「切っちゃおうかな?」と一瞬思ったんですが、開け閉めのときに不便なので、高い位置でまとめる方が現実的でした。
紐を束ねるだけで、事故のリスクをグッと下げられるんです。
次は、もっと手軽でコスパ最高の対策をご紹介します。
賃貸でもOK!100均アイテムでできる対策
「持ち家じゃないし、勝手にいじれない…」という方にも朗報です。
賃貸でもOKな安全対策は、実は100均グッズで十分まかなえます。
我が家で実践してるのは、3つのアイテム。
- 強力マグネットフック(網戸の上に貼って紐を引っ掛ける)
- 結束バンド(長すぎる紐を短く調整)
- ワイヤークリップ(束ねた紐をフレームの外側に逃がす)
これ、ぜんぶダイソーで買えちゃいます。
壁に穴も開けず、取り外しも簡単。おまけに安い。
娘が成長した今でも、念のためこのセットはそのまま使っています。
100均には「本気で子どもの安全守りたい親」に優しいアイテムが揃っているので、見に行くだけでもおすすめですよ。
続いて、製品そのものを見直したほうがいいケースもお話しします。
安全設計の網戸・製品に取り替える選択肢も
「そもそも、この紐があること自体が怖い」って感じる方も多いと思います。
実際、自分もあの事故のあとに調べまくりました。
最近では、セーフティジョイント(一定以上の力で外れる構造)付きや、紐のないスライド式・タッチ式の網戸も出てきています。
たとえばLIXILやYKKの最新型には、最初から紐がないタイプや、クリップ付きで安全性に配慮された設計のものが増えているんです。
うちは結局そこまで大きく変えることはなかったんですが、「次にリフォームするなら絶対これにする」と心に決めてます。
特に乳幼児のいるご家庭には、最初から「事故が起きにくい設計」を選ぶのも大事な視点です。
ここまでの対策をふまえて、今度は年齢別にどんな違いがあるかを整理してみましょう。
子どもの年齢別に見る!網戸の紐リスクと安全対策の違い
子どもの年齢によって、行動パターンもリスクもかなり変わってきます。
「うちの子はまだ赤ちゃんだから大丈夫」と思っていたら、いつの間にか…なんてことも。
この章では、年齢別に見た危険性と、それぞれの時期に合った予防ポイントを紹介します。
0~2歳:寝返りやハイハイでも届く危険エリア
「まだハイハイだから大丈夫」は実は大間違い。
床の近くに垂れている紐に、知らないうちに体が絡まるってことがあるんです。
特に寝返りで布団の端から転がり出て、網戸の近くまで移動…なんて状況、育児あるあるですよね。
対策としては、まず家具の配置で紐の近くに行けないようにするのが鉄則。
ベビーベッドやソファを網戸の前に置かないようにして、紐が視界にも入らない環境にするのがベストです。
この時期は「触れさせない」「近づけない」がいちばんの安全策になります。
続いて、元気いっぱいになってくる3歳〜6歳の場合です。
3~6歳:行動範囲が広がる時期の予測不能なリスク
この時期になると、自分で登る・開ける・引っ張るが得意になってきます。
しかも好奇心も旺盛なので、「この紐なに?ひっぱってみよ!」の精神で、思わぬ事故が起きるんです。
娘もまさにこのタイプで、ソファの背もたれに立って網戸の紐を引いて遊んでました。
そして、あのヒヤッとする出来事が起きたわけです。
この年齢では、「手が届かない」「引っ張れない」環境に整えるのがとにかく大事。
加えて、「この紐は遊ぶものじゃないよ」と伝えることも、少しずつ効果を発揮します。
本人が理解し始める年齢だからこそ、環境と声かけの両輪で守っていきたいですね。
次は小学生以降の対策についてです。
小学生以上:しつけ+環境づくりのW対策を
小学生になってくると、「これは危ない」という判断もある程度できるようになります。
でも油断は禁物です。
好奇心とふざけ心は健在なので、友達とふざけて引っ張り合い、絡まる…なんてことも実際あります。
この年齢では、「紐=遊び道具じゃない」という認識をはっきり持たせることが大切です。
加えて、「紐がある場所では絶対にふざけない」という家庭内ルールを作っておくのも効果的です。
もちろん、物理的に紐を撤去しておくに越したことはありません。
「大人の目が届く範囲でも油断しない」、これが小学生以上でも必要な対策です。
よくある質問とその答え(Q&A)
Q: 網戸の紐って、切ってしまっても大丈夫なんですか?
A: 紐を切ってしまうと網戸の開閉が不便になる場合があります。できれば、紐を束ねて高い位置に固定するか、取り外し可能なクリップで対応するのがベターです。どうしても危ないと感じるなら、紐なしタイプに取り替えるのも選択肢です。
Q: 100均アイテムで本当に安全対策できるんですか?
A: はい、できます。強力クリップや結束バンド、マグネットフックなどを使えば、紐を束ねて固定することが可能です。実際に使ってみて、「これで十分だった」と感じる方も多いですよ。
Q: 賃貸なので穴をあけたりできません。それでも安全対策できますか?
A: もちろんです。マグネット式や粘着フックなど、壁を傷つけないグッズを使えば問題ありません。工夫次第で賃貸でもしっかり対策できます。
Q: 子どもが紐に絡まったとき、どうすればいいですか?
A: すぐに紐を外し、呼吸が止まっていないかを確認してください。意識がなかったり呼吸が止まっているようなら、すぐに119番に連絡し、救命処置を開始します。状況によっては窒息まで数十秒しかありません。とにかく“早く気づくこと”が命を守ります。
Q: 網戸以外にも、家の中で紐が危ない場所ってありますか?
A: はい、ブラインド、ロールカーテン、カーテンのタッセル、洋服のフードの紐なども危険です。とくに首まわりに垂れる紐はすべて要注意。寝具やソファ周辺も確認しておきましょう。
まとめ
今回の記事ではこんなことを書きました。以下に要点をまとめます。
- 網戸の紐は、子どもの命に関わる事故の原因になりうる
- 実際に起きた事故や、筆者自身のヒヤリ体験からその危険性が明らかに
- 事故を防ぐ3つの対策は「高い位置に固定」「100均アイテム活用」「安全設計製品の導入」
- 子どもの年齢別にリスクと対策は異なり、行動範囲や理解度に応じた工夫が必要
- 賃貸でも実践できる方法が多数あり、手軽な工夫で大きな事故を防げる
網戸の紐は一見地味な存在ですが、油断するととても危険です。
今すぐ確認し、対策できるところから始めることで、大切な命を守ることができます。
この記事が、事故予防のきっかけになればうれしいです。